乳製品その2

〈含有成分と悪影響〉
 牛乳には様々なホルモンと栄養成分が含まれていますが、その多くで問題が指摘されています。
2. 女性ホルモン
日本の子どもたちは、本来は性ホルモンの分泌が始まる前には存在しないはずの女性ホルモンを、牛乳を摂取することによって多量に口にしています。現在、日本で市販されている牛乳には女性ホルモンが多量に含まれています。
経口摂取した遊離(未抱合体)型のエストラジオールやエストロンの生物活性は比較的低いのですが、口から入ったエストロンの硫酸抱合体の生物活性は高く、一日に摂取する量から換算すると、その量は環境ホルモン物質や植物エストロゲン(植物性女性ホルモン様作用物質)が発揮する作用の数万倍に匹敵します。
現在、日本で販売されている牛乳は、妊娠中の雌牛からも搾乳されます。雌牛は生後14ヶ月になると人工授精で妊娠し、仔牛に5日間授乳したあとは、人用 の牛乳生産のため搾乳されます。出産後3ヶ月で人工授精させられ、出産する2ヶ月前まで妊娠中も搾乳されます。下図に示すように、妊娠中は卵胞ホルモン (エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が多量に分泌されるため、妊娠中に搾乳された牛乳中にもこれらのホルモンが多量に分泌されます。
実際に販売されている牛乳を調査した結果では、卵胞ホルモンは妊娠していない牛から搾乳された牛乳に比べて1.5~2倍、黄体ホルモンは6~8倍も含まれています。牛乳加工品中の濃度も高く、調整粉乳にも含まれていると思われます。女性ホルモンは細胞性免疫を抑制して感染症に対する抵抗力を落とし、IgEの産生を亢進させてアレルギーを起こしやすくさせる作用があるため、牛乳に含まれる過剰な女性ホルモンが発達過程にある小児の免疫・神経・生殖(特に男児)に影響する可能性は大きいと思われます。妊娠牛からの搾乳は70年ほど前から行なわれてきているため、70年前から先進国を中心に世界中の子どもたちが女性ホルモン含有量の多い牛乳を飲んでいると考えられます。
1955年を基準にして、各食品の摂取量を比較すると、1975年ごろに牛乳製品、肉、卵摂取量がピークに近づきました。実は、この年はアレルギーの視点からみると特徴的な年です。
図は、1986~2000年までに食物を原因としてアナフィラキシーを起こした人たち(154症例:男性86、女性68例)が、いつ生まれたかをグラフにしたものです。1975年以後に生まれた人たちがアナフィラキシーを起こしやすい傾向が分かります。つまり、牛乳摂取が多くなったころから、激しいアレルギー反応を起こす人たちが増えてきています。特に、男性に多い傾向があります。
2000~2001年にアレルギー精査の目的で検査した5342件のIgE値を年齢ごとに調べました。IgE値の年齢変化をみると、思春期前までは IgE値に性差はみられず、思春期をピークにしてその後は減少していきます。本来男性は、思春期以後には分泌された男性ホルモンによってIgE産生が抑制されるはずです。男性は妊娠する必要がなく、Th2(T型リンパ球のヘルパー2型機能)を発達させる必要がないため、男性ホルモンはTh2機能の一部であるIgE産生が抑えられます。ところが、男性のアレルギー患者は、思春期以後になると女性よりもIgE値が高くなります。このことは、男性の免疫が女性化 し、Th2機能が亢進してIgE産生が高くなっている可能性が考えられます。
この原因として、様々な女性ホルモン様の作用を持つ環境ホルモン物質や牛乳・牛乳加工品に含まれる女性ホルモンが小児期の免疫発達に影響している可能性が考えられます。女性ホルモンは卵や肉(特に牛肉は雄牛を去勢し、女性ホルモンを使って育てる)などにも含まれるため、これらの食品からの摂取によっても影響を受けているはずです。
日本人は、植物に含まれる植物エストロゲンを欧米人に比べて10倍以上摂取しており、遺伝子的にはこれらの植物エストロゲンを処理する能力をもっていますが、過剰な動物由来の女性ホルモンを処理する能力は少ないと思われます。また、欧米でも現在のような女性ホルモン含有が多い牛乳の生産は約70年前からのことであり、様々な影響を受けている可能性があります。この点は、精巣癌や前立腺癌の発生増加との関連が注目されています。胎児期、出産後から思春期前までの小児期には、性ホルモンの影響が少ない状態で体の各臓器が発達します。思春期になり、性ホルモンの分泌が始まってからはじめて、性ホルモンの作用で女性型免疫、男性型免疫、女性型の脳、男性型の脳が完成します。したがって、小児期における過剰な性ホルモン作用を有する物質(環境ホルモン物質、女性ホルモンなど)の影響を少なくし、それぞれの性に適した正常な免疫を発達させることが、アレルギー性疾患予防には重要と思われます。
日本人は、野菜や少量の海草、大豆、それらを煮込むこと、漬物にすること、醸造すること(味噌やしょうゆなど)によって、ミネラル、ビタミン、乳酸菌などを摂取してきました。北に移住し、牛乳中の乳糖を離乳期が過ぎても消化できる遺伝子を突然変異によって獲得した人たちが、野菜や大豆の代わりとして、牛乳やヨーグルト、チーズを食べて生き延びてきました。日本人の遺伝子を持つ人であれば、牛乳の摂取をやめて、本来の食べ物である野菜や少量の海草、大豆、およびその加工品を摂取することが大切です。
牛乳加工品にも女性ホルモンが多量に含まれているため、乳児用の人工ミルクも同様と思われます。つまり、ヒトの母乳中には含まれていない過剰な女性ホルモンが人工ミルクには含まれている可能性があります。ただし、人工ミルクは油脂を搾乳した牛乳に含まれていた油脂から植物性油脂に換えているため、油脂中の女性ホルモン(主にはプロゲステロン)は排除され、牛乳そのものから作った加工品よりは含有が少ないと思われます。アレルギー用の人工ミルク(MA1 など)は、たんぱく質をアミノ酸まで加水分解してしてあるため、女性ホルモンも普通の人工ミルクに比べるとさらに活性が少なくなっていると思われます。したがって、過剰な女性ホルモンの害から正常な免疫の発達を守るためには、なるべく母乳を飲むこと、もし、人工ミルクを使う場合には、アレルギー性疾患のある 子供も、アレルギー性疾患がない子どももアレルギー用にたんぱく質を分解したミルクを使うことが望ましいと思われます。

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